もう何年も前のこと。

ふと立ち寄ったバイク屋。
その片隅に
まるで他の大型バイクのかげに隠れるように
あいつは並べられていた。

値札はついていない。
どうやら店長さんの所有車みたい。


「これ…Brosですよね? 400ですか?」
「いゃ650だよ。けっこうよく走るぞ」

小さな車体。
でも、極太のリアタイヤに片もちのリアスイングアーム。
力強いアルミフレームにぐっと低く構えたフロントマスク。


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僕の好きな四発でもない。
かっ飛びのリッターマシンでもない。
でも、このBrosには、何か惹かれるものがあった。



店の前を通りかかるたびに
何度ものぞき込み…Brosを眺めていた。




「すみません…このBros、売って頂けませんか?」
「はぁ?」

店長に頼み込んだのは、その1ヶ月後だった。


交渉に通うこと1週間。最後は社長さん根負け気味に「OK」をくれた。


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納車の夜。ガレージの中でBrosのセルを回す。
ブルルゥン。

ガレージに響きわたるVツインの鼓動。
背筋がゾクゾクしたことを覚えている。





それから3年間。
Brosはボクの旅の相棒になった。

遠くは信州、日本海、そして四国。

ロングTouringも難なくこなしてくれた650ccの心臓。

エンジンとの対話を楽しみながら....
まさにそんな走り方ができるだバイクだったと思う。

ともに走った総走行距離は5.5万km。

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ただ、ひとつだけの難点は、タンク容量の少なさ。

やはり、あのデザイン優先で
小ぶりのタンクが採用されたのだろうか?

それにしても、航続距離が満タンで180km弱。
これは辛かった。
 





あのスタイル、排気量、そしてトルクフルなVツイン…
ちょっと大きめのタンクを装備して
また世に登場してくきてれたら

間違いなく、ボクは
次期候補の最右翼に挙げるだろうなぁ…(´∀`*)