「よぉ! 思ったより元気な顔してんじゃん」
「無事でよかった、よかった」


あの大震災の数日後。


ボロボロに壊れた我が家の前に
3台のオートバイが停まった。






がれきの街を
駆け抜けてきてくれたバイク仲間だった。



「バイクじゃ何も積めないけど…」

そう言う彼らのバイクのリアバッグには
めいっぱい詰め込まれたカップ麺。


崩れかけた石垣に腰掛け
いっしょにすすったラーメンの味は
涙が出そうなくらいの美味さだった。




「で、SRXは無事だったか?」
「ぃや…しっかり転がってたよ」

「そっかぁ 大事に乗ってたのになぁ」



そういう彼らのバイクも
カウルやマフラーがボロボロ。

がれきだらけの道を
数十km…走りぬけてきてくれたのだから。



「まぁ そぉ気を落とすなや」
「またいつか 乗れる日が来るわな」






日が沈みかけたでこぼこ道を
走り去っていく3台のオートバイ。

ボクは
いつまでもいつまでも…見送っていた。