バイク乗りは…モテる♪


まだ、若かりし頃…
そういう幻想を抱いていた。







彼女と知り合ったのは
とあるサークル主催の合コンの席。

同じ学生同士
初対面でもお酒が入れば自然と話が弾む。

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当時、流行していたフォークソング。
ボクも彼女も
かぐや姫の大ファンだということで
他のメンバーそっちのけでぼくらは盛り上がっていた。


これはもしかして…脈ありか?

コンパもお開きになろうかというとき
彼女の耳元でささやいている。


「なぁ いっしょに…海行かない?」

「わぁ♪ いきたぁぁい 連れてって~」

心の声 : やったぁ ばっちり♪ (* ̄∇ ̄*)エヘヘ


「Zに乗せてあげるよ」

「えぇえ!ほんとぉ? Zに乗ってるのぉぉぉ!」




きらきら輝く彼女の目♪

別れ際にお互いのTel番交換。
※注:当時はケータイやメールなんてものはない…




約束は次の日曜日。

やったぜ… おいらの青春の幕開けジャンっっ


「おめぇ やるじゃん!」
「もぅデートの約束かよぉ」

さかんにうらやましがるサークル仲間。

・・・・へっ バイク乗りってもてるんだよ
と、心の中で何度もつぶやいてみるボク。













そして… その日がやってきた。

革ジャンに身を包み
新品のヘルメットをリアシートにくくりつけ

さぁ♪ Z400で待ち合わせの駅前へ…

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いたいた♪
ロータリーの向こうに彼女。

手を振ってみたけど、気がつかない?
じゃ…ヘルメットを脱いで…

「やぁ 待たせてごめん♪ いこっか」





でも… 返事がない…





「ぇ? ど、どしたの?」

凍り付いたような目でボクを見つめる彼女…。




沈黙が流れる…

なんなんだ? この沈黙の間は…???





そして、
聞き取れないほどの小さな声で彼女が…

「な、なんで…バイクなの…」






「はぁ?…」


「うそ…でしょっっ なんなの?」


「はぁ?…」


「フェアレディ…じゃ…なぃの?」


「はぁ? なにそれ?」





「ごめんね」

ひとこと残して走り去っていく彼女…
Zのそばで、わけわからず立ち尽くすボク…







フェアレディZ…
そんな車があることを知ったのは、そのあとだった。






バイク乗りはモテる… それは幻想

あれから30年たった今でも、それは疑わない…。


※画像はイメージです